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オリコウカメラ。

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2019年 07月 18日

tripod 2 (誰かのコダクローム)。

 jh8fhtさんのとこで化粧品のポスターの話が出ていて思わずコメント入れてしまった。

 御大は無名時代の前田美波里の資生堂のポスターが「そそられて(笑)」・・・あっ違う違う・・・「強烈だった」とおしゃっておられた.

 自分はコメントで書いたのだが、コーセー化粧品のセーラ・ロウエルがやはり一番鮮烈な記憶として残っている。

 ほんとに今でも昨日のことのように思い出せるが、当時我が家は田園都市線の青葉台に住んでいて、ある朝大学へ行くのに青葉台駅の改札を抜けて階段を上ってホームに出た瞬間すぐ前の壁に貼ってあったB全のポスター2枚が目に飛び込んできた。

 前日の帰宅時には貼ってなかったので夜中か早朝に貼られたものだと思われたが、それが色違いのレオタードに身を包んだセーラが鋭い眼差しでレンズを睨みつけるように見ているコーセー化粧品のポスターだった。

 それはもう衝撃といっていいくらいの出会いで、時間にすればほんの3~4秒だったと思うが、傍から見ればポカンと口をあけていたのではないだろうか?と思えるくらいに見入ってしまった。

 ところが不思議な事に、大学へ行くにはそれから渋谷まで田園都市線(二子玉川から先は出来たばかりの新玉川線だった)に乗って、渋谷で山手線に乗り換え高田馬場まで行くのだが、その日乗換駅や下車駅でそのポスターを目にした記憶がないのだ。

 キャンペーン用のポスターだから同時に貼り出されているはずなのに見た記憶が無いのは単に朝イチの出会いが強烈だったせいなのだろうか・・・
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 セーラは同じ頃、映画「シャレード」のテーマ曲にのって「Yes Charade!」とポーズをとるダイハツシャレードのコマーシャルに出ていたが、モデル業が主体でそれほどテレビ番組にも出ておらず、どちらかというとコーセーのポスターが出た以降人気が高まったような覚えがある。

 その後そのポスターが35mmのコダクロームで撮影されたということを知り驚いた。

 ポール・サイモンの「僕のコダクローム」が出たのはそのほんの数年前だった・・・

 
 


# by tinysketch | 2019-07-18 18:37 | Comments(2)
2019年 07月 16日

tripod。

 昨日は海の日。

 とてもそんな気分にはなれない天気であったが・・・

 NHKでムツばあちゃんの番組が再放送されていて当然のようにまた観る。

 ムツばあちゃんはいつ見てもチャーミングだ。

 最近テレビで面白い映画を立て続けに3本観た。

 1本目は「フロリダ・プロジェクト」

 本国アメリカでは一昨年公開され、日本でも昨年公開されたようだ。

 監督は自分よりも一回り近く若い監督なようだが、名前を聞くのも初めてだった。

 邦題には「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」なんてダサい副題がついており、せっかく本国ではシンプルに暗示を含めた格好いいタイトルをつけたのに、それを台無しにする相変わらずの邦題のセンスのなさったらないもんだと思った。

 タイトルのフロリダ・プロジェクトというのはディズニー・ワールドの開発初期の呼称だったようで、ディズニーで表された華やかな世界の隣で、それとは全く真逆の生活を送っているシングルマザーとその娘の日々を描いた映画で公開年度のカンヌ映画祭にも出品された作品だそうだ。

 娘と母親が住んでいるモーテルの(当然、違法である・・・)支配人役のウィレム・デフォー以外はほとんど無名の俳優たちで固められたキャストであるが、それが功を奏したのか皆の演技がとてもナチュラルで、なにより娘役の子役の演技がすごかった。

 最初何気なしに観ていたのだが、ともすると「これってドキュメント?」と感じるくらいの自然な演技に惹かれて調べたら制作当時7才の子役だそうで、出演作品の情報もほとんど無いような無名の女の子だった。

 よく見る子役の大きな演技とは違う実に自然な演技で、まさに天賦の才とはこういうものを言うのであろう。
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 2本目は日台合作の「おもてなし」

 台湾出身のジェイ・チャン監督の作品で、こちらも初めて知る監督だった。

 琵琶湖近辺の京都が舞台だが、観る前に自分が期待していたのは外国人監督が描く日本人から見た日本とは違う日本の姿だったのだが、その期待通りの作品であった。

 以前もジョン・ウー監督の撮った東京が格好良すぎて、どうして日本の監督はこういう感じに例えて言うなら同じはずの2枚の絵が合わせてみるとちょっとズレてるみたいな、普段よく知っているはずの街が異次元に感じられるような風景として撮れないものか?と、悔し紛れに思ったものだった。

 このあたりは河瀨直美監督などは頑張っているとは思うけど。

 今回も決して奇をてらった感じではないのに、カメラワークといいその色彩といい「ちょっとズレた感じ」が表現されていて良かった。

 そしてそういう意味で言うなら3本目の「生きる街」は素晴らしかった。

 以前娘が仙台の水族館に勤めていた頃に家人と様子を見に行ったことがあり、娘の休みの日に3人で石巻や牡鹿半島を訪ねたことがあったのだが、その際に行った半島のほぼ先端の鮎川という小さな漁港町が映画の舞台だった。

 そのことについて予備知識として全く知らずに観たのだが、オープニングから「これどこ?日本なの?どこかの島?」という驚きの映像で、久々に日本映画でカメラワークに感動する映画に出会えた。

 「湯婆婆」も相変わらず素晴らしかったけど・・・

 こういう監督がいると日本の映画界にも期待が持てる。

 

 


# by tinysketch | 2019-07-16 16:57 | Comments(0)
2019年 07月 13日

島村楽器で。

 クラシックギターの弦を買ってきた。

 ナイロン弦なんて買うの何十年ぶりだろうか・・・

 家人の妹の友人がその昔ヤマハのギター教室に通っていた時にクラシックギターを購入したそうで、結局教室はすぐにやめてしまいそれ以来タンスの肥やしになっていたのだそうだ。

 ありがちな話だけど・・・

 ・・・でそれを捨てるのはもったいないからというのでこちらに話が回ってきた。

 「いるか?」聞かれたので二つ返事で「いる!」と・・・

 どれだけ放おっておかれたのは定かではないが、送られてきた写真を見たら1弦は無かった(笑)

 多分ネックはかなり反っているのだろうけど、手慰みに弾くヘボギタリストにとってはそんなことはまったく問題ない。

 以前Charがテレビの番組に出た時に、粗大ごみで出されていたクラシックギターを拾ってきてそれで何曲も作曲したと語っていた。

 使っているうちに6弦の糸巻きが壊れて「C」にしか合わせられなくなり、仕方がないので6弦は「C」に固定して、それに合わせて5弦も下げて変則チューニングで弾いてみたら思いのほか響きが良いチューニングで良かったとも言っていた。そして今でも持っていると(笑)

 「ギターは使い倒す」そうで、小学生の頃に使っていたギターもいまだに持っていると言っていたのには驚いたが・・・
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 自分もそのあたりはまったく同感で、フィルムカメラはもちろんだがどんなに前のデジカメでも捨てずにとってある(笑)

 今ではデジカメも行き着くところまで行き着いた感があり、画像処理前提ではどの機種で撮っても大した違いはなくなってしまった。

 そのうちキレキレのくっきりすっきりした画像にも飽きが来るに決まっているし・・・

 それが悲しいかな人間だ。

 さてさてそれよりも廃品のギターがどんな音色で鳴るか楽しみだ。

 



 

 



# by tinysketch | 2019-07-13 14:32 | Comments(2)
2019年 07月 12日

大は小を兼ねる。

 先日電気屋のオーディオコーナーをブラブラしていてふと気がついたのだが、昔ながらのフルサイズのオーディオシステムが売り場のかなりの面積を占めていた。

 ちょっと前まではミニコンポやそこまでいかないまでも小さなサイズのシステムが主流だったように思うのだが・・・

 山水のアンプが並んでいないのはつくづく残念であったが、それでも昔ながらの老舗のメーカーたちの機器がところ狭しと並んでいるのを見るのは嬉しいものであった。

 自分たちの頃は「オーディオは持ってみて重さで決めろ」というような時代であった。

 だから愛用していたアンプやデッキ、プレーヤー、スピーカーなどはどれもこれも結構重かった。

 それが今ではスマホとBluetoothスピーカーというご時世。

 自分もCDを持っていないアルバムなどを聴きたい場合はスマホとミニコンポのコンビで聴いているが、画像処理の最中などはモニターの下に置いてあるSONYのBluetoothスピーカーで間に合わせてしまうことも・・・

 このスピーカー小さいくせに結構重い。さすがに音のヌケは悪いが・・・今もそれでアースウィンド&ファイアーを聴いている・・・
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 「こころ旅」北海道あっという間に第1週が終わってしまった。

 大草原の上を雲の影が動くのを見て正平さんたいそう喜んでいた。

 そういえば「グレートトラバース」の田中陽希も出身は北海道だそうで・・・それも「北の国から」ど真ん中の麓郷。

 麓郷中学出身というから恐れ入った。

 ということは「’95 秘密」の頃中学に上がるか上がらないかくらいだったということか・・・

 きっとロケも見てるだろうな。

 うらやますぃ~い・・・

 

 

 


# by tinysketch | 2019-07-12 20:52 | Comments(4)
2019年 07月 09日

じょうかぶり。

 先日書いた「菅江真澄遊覧記」の第1巻を土曜日に図書館で借りてきた。

 そして同じく土曜日にAmazonで注文していた「山海記」が昨日着いた。

 その土曜日だが、朝も早よから次男が孫を連れてきた。嫁が9時に予約していた美容院に行く途中に落としてもらったらしい。

 運の悪いことに家人は前日から娘の家に泊まりに行っていたのだが、「来たよ」とLINEすると二人して飛ぶようにやってきた。

 まったく一人でのんびり読書できると思っていたのにとんだ大騒ぎになってしまった。

 昨日から読み始めたが菅江真澄という御仁。思った通りユニークな人だったようだ。

 初めて知ったが秋田の方では常に被り物をしている人を「じょうかぶり」と呼ぶらしく、真澄も1年中頭巾をかぶっていたそうで皆が「じょうかぶりの真澄」と呼んでいたとか。

 また自分の生家についてはほとんど語らなかったようで、真澄の死後に秋田の人が伊勢参りのついでに真澄の実家へ寄った所たいそうな門構えの大家で驚いたそうだ。

 その際に先年秋田の地で亡くなり、地元の人間たちがねんごろに埋葬したことを告げると家族の者たちは非常に喜んでくれたそうだ。

 30才から70才の半ばにいたるまで一度も戻らなかった実家と真澄の間に何があったのかには非常に興味がわくが、そのあたりの真相はついぞわからずじまいだったそうで、そんなことから刃傷沙汰があったとか、色恋沙汰があったといった噂が絶えないというのもミステリアスな感じでいい。
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 今朝ようやくアサガオの支柱を立てた。

 太陽が全く差さないので今年は生育不良になるんじゃないかと心配。

 最近夜は窓も開けられないほどだが今日も一日中肌寒い。

 今週来週はこんな感じで過ぎていくらしい。

 冷夏が現実味を帯びてきたか・・・

 

 
 

 
 

 

 

 

 

 


# by tinysketch | 2019-07-09 15:57 | Comments(0)
2019年 07月 05日

わびとかさびとか・・・。

 水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」を最初に見たのはいつだったろう・・・

 すでにはるか忘却の彼方という部類の話ではあるが、おそらくは小学生の低学年に少年マガジンの連載で読んだのが初めてだろう。

 同時期には「巨人の星」と「あしたのジョー」も連載されていたからまさに週刊少年マガジンの黄金期である。

 その後講談社のKCコミックスでも買った覚えがある。

 最近週末の朝にテレビを観ていたら、今現在放送されているらしい「ゲゲゲの鬼太郎」の番組CMが流れているのを目にした。

 昔に比べてずいぶんイケメンの鬼太郎で可愛くさえある感じ(笑)

 まったく怖いという感じがせず、初期の「ゆうれい電車」にドキドキしていた当時のあの感じはなんだったんだろう?とまるで夢のような気さえする。

 鬼太郎に限らず今は、「怖い」と思わせるような表現手段ってイコール「残酷なこと」とか「遊園地の幽霊屋敷並みの突然のおどかし」だったりする。

 わび・さび・情緒なんてなんの役にも立たないという感じで全く「おどろおどろしさ」がない。

 嘆かわしいもんだと一人じっと爪を見るのみである。
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 映画や本にしてもそうである。

 奇をてらったストーリーや凝った映像などがもてはやされ、じわっと染み入るようなものは切り捨てられる。

 最近の作家の本はほとんど読まないのであるが、先日書店員たちのインスタを見ていたら、「この本はマジで私の人生を変えました」というような最上級の言葉で紹介されていたある女流作家の本があった。

 「今時人生を変えたなんて口にする若者もいるんだ。俺は本で人生変えられたことがないからわからんけど・・・」と思いつつ「ならば・・・」と図書館で借りてきて読んだ。

 読み終わった後に「いまだ人生を語らず」と言っていた拓郎はえらいよ・・・と思った・・・

 そういえば明日図書館に返却予定の佐伯一麦の「山海記」

 文庫本出たら買うなんて書いたんだけど・・・

 考えてみれば文庫化されるまで数年はかかるだろうし、もうすでに再読し始めているのを考えてもとても文庫本までは我慢出来そうも無いと、ついAmazonで購入してしまった。

 消費税込みで2160円なり。

 この本も人生そのものは変えてくれないかもしれないけど、「生と死」の捉え方が1mmくらいは変わるかもしれない。

 

 


 


# by tinysketch | 2019-07-05 17:30 | Comments(0)
2019年 07月 04日

菅江真澄。

 「こころ旅」今週は秋田の旅。

 昨日の神明社訪問の際には社殿の素晴らしさにも目を奪われたが、とうちゃこの時に神社入り口でカメラに映っていた「菅江真澄の道」と書かれた白塗りの柱が気になって何気なくその場でスマホで検索したところ、菅江真澄というのは三河出身の江戸時代の国学者ということだった。

 その経歴が非常に興味深く、理由不明ながら30才で生まれ故郷三河を出奔したのち、東北や北海道各地を渡り歩いては各藩の庇護のもと民俗、歴史、風土、科学など多岐に渡って見聞を深め、時には薬事係として召し抱えられながらいくつもの著書を残したそうであり、また画力もかなりのもので自らの著書にも挿絵としてその腕前を披露しているそうだ。

 試しに手持ちの山川出版の教科書「詳説日本史B」で索引に当たったところ、本文には記載はなく、江戸時代に湯治や物見遊山など庶民の旅行が流行ったという記述の注釈として欄外にわずかに「三河の国学者菅江真澄は40年にわたって東北各地を旅行し、その見聞を『菅江真澄遊覧記』として残した」とあるのみだった。

 出奔後は結局生まれ故郷に戻ることなく76才で秋田の地で亡くなり、墓所も秋田市内にあるらしい。

 男鹿市のホームページには、彼の足跡をたどった「菅江真澄の道」の標柱が市内に83本あると記載されていた。

 こんな感じで知れば知るほど才能の塊のようなこの人物に興味がわいてきた。

 市の図書館のネット検索で結構な数の彼の著書がヒットしたので今週末はそのなかのどれかを借りてこようと思う。
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 昨日だったか南米の皆既日食のニュースをやっていたが、そういえばもう何日も太陽の姿を拝んでいない。

 予報では来週の頭にちょっと太陽マークがあるがどうなることか・・・




 


# by tinysketch | 2019-07-04 14:06 | Comments(0)
2019年 07月 03日

符牒。

 「北海道すたいる」を録画して観ているのは前も書いた。

 この番組では毎回、本編の合間に道内の鉄道路線を数分にまとめたものを流している。

 もうすでに廃線になった路線やまだ現役で走っている路線など、その内容は様々ではあるが結構面白くて毎回楽しみにしている。

 以前そのコーナーで、札幌から新十津川間を走っている学園都市線という路線が特集されたことがあった。

 札沼線というのが正式名称らしく、それというのも昔は新十津川の先の石狩沼田という駅まで伸びていたらしいのだが、新十津川と石狩沼田間は1972年に廃線になったのだそうだ。

 ・・・で、それを観ていて「和歌山(奈良県です)の十津川と同じ名前があるなんて面白い偶然だな」と思っていたのだが、今回佐伯一麦の「山海記」を読んで初めてその謎が解けた(もしかしたら番組内でも触れていたのかもしれないが・・・)

 明治22年に台風による水害で壊滅状態になった奈良県吉野郡十津川村の住民2691人が、当時はトック原野と呼ばれていた今の場所に入植して切り開いたのがまさしく新十津川村(当時)なのだそうで、これまた偶然ではあるが、水曜どうでしょうの企画「原付日本列島制覇」の旅で紀伊半島を訪れた際に「ミスターどうでしょう」こと鈴井貴之が「十津川村に行きたいんですよ。私のルーツなんです」と語っていたことがこれと見事につながった。

 ということはミスターのそう遠くない先祖(ミスターの年を考えるとおそらくは祖父母の代くらいか・・・)は十津川大水害の被災者だったということなんだろう。

 ミスターからは一度もそんな話は聞いたことがないのだが、当然先祖の昔話として伝え聞いていることだろう。

 こんな時代だからこそ、そういった先人の体験を語り継いでいくことは大きな意味があるとは思う。
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 今回図書館で借りて読んだわけであるが、読後、この本は絶対に自分で買おうと思った。
 
 まぁできれば文庫本になってから・・・(笑)

 十津川大水害に代表される数々の自然災害の話や、その合間に江戸末期の天誅組の玉砕の話。また、早期退職後に自死した中学生時代からの親友の話や子供時代に偶然見てしまった自殺者の遺体の話など、その上佐伯が好きだという太宰の文章の引用など、全編から「死」というもののにおいが漂ってくる小説ではあったが、不思議と暗い印象はなく、どちらかというと未来への展望や希望といったものの方を強く感じた。

 こういう骨太の小説が最近は少なくなっているが、読んでおいて損はないと思う。

 講談社から2000円で出ています(笑)
 


 


# by tinysketch | 2019-07-03 19:46 | Comments(2)
2019年 06月 30日

雨を見たかい。

 台風はあっという間に過ぎ去ったが南からの湿った空気が流れ込んでいる日本列島ではあちこちで雨模様で、九州南部の雨はレベル4に達したと今朝のニュースで言っていた。

 今日は一日雨のようだ。

 佐伯一麦の「山海記」をまだ読んでいる。

 この本のテーマについて自分は勘違いをしていて東日本大震災以降の災害地を取材する旅だと思っていたのだが、読み進めてみると昭和や明治・大正、また江戸時代や中世、それ以前の災害についてもかなり緻密な取材がされていた。

 中にはまだ記憶に新しい災害もあったが、確かにその時存在していたはずなのに全く記憶に無い災害なども多くあった。

 日本のバス事故史上最悪の「飛騨川バス転落事故」を覚えておられる方がいるだろうか?

 自分は当時小学生だったが全く覚えていなかった。

 昭和43年8月17日に、乗鞍岳からご来光を拝むことを目的とした日帰り(車中泊)バスツアーが、バス15台、乗員乗客合わせて773人という大所帯で名古屋の街を出発した。

 乗鞍岳直下まではほぼ飛騨川沿いの国道41号線を走る片道160kmの旅だった。

 折悪しく台風7号が日本海を北上しており当初は出発も危ぶまれていたのだが、午後9時には北海道付近で温帯低気圧に変わり、注意報も解除されたこともあり夜10時に名古屋を出発した。

 ところが本州に横たわる寒冷前線に太平洋からの暖かく湿った空気が流れ込み岐阜県中部の大気は非常に不安定な状態となり、飛騨川沿いを走行していたバスの一行は夜11時半頃から一時間に50mmという激しい雷雨にみまわれることになった。

 そしてその豪雨の中なんとか下呂市に到着し休憩をしていた一行に、対向車から下呂市の北で土砂崩れが起きているとの情報がもたらされ、運転手や乗務員たちは協議の結果日付が変わった18日の午前0時過ぎにツアーの中止を決め名古屋に引き返すことにした。

 引き返すにも15台ものツアーなので、結局同じバス会社ごとにまとまって、元請けのバス会社が占める1号車から7号車(4号車は欠番)までと下請け数社の8号車から16号車までの2つのグループに分かれて帰路についた。
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 帰路の途中、JR(当時は国鉄)高山本線の白川口駅付近で国道41号線は飛騨川を渡るのだが、そこで警戒中だった消防団員に5号車の運転手が走行見合わせをすすめられたのだが、同じバス会社の1号車から3号車まではすでに橋を渡って先行していたこともあり6号車と7号車の3台で走行を続けた。

 その後、遅れて白川口駅に着いた第2グループの9台は同じように警告をされ、素直にそれに従い白川口駅前広場で待機することにしたのだが、それが2つのグループの明暗を分ける事となった。

 先行した第1グループの6台は橋を渡ったのち1Kmほどで小さな崩落現場に行き当たり、乗務員達が豪雨の中スコップで土砂をどけてなお先に進んだのだがまた1kmほど進んだ場所では大きな崩落が起きており、この先進むのは無理と判断したのだが転回しようにも道幅が狭いため、仕方なくバックのまま白川口駅まで2km戻ることにした。

 ところが今度はバックしながら進んでいた先頭車の前方でまた大きな崩落が起こり道が塞がれ、結局前後を崩落現場に挟まれて進退窮まってしまった。

 6台のバスが立ち往生してから40分ほど経過した午前2時11分。

 山の斜面が幅30m高さ100mにわたって巨大な崩落を起こし、ダンプカー250台分だという土砂が5~7号車の3台を襲った。

 7号車は辛うじてガードレールに押し付けられる形で止まったが、5号車と6号車はガードレールをぶち破り15m下の濁流渦巻く飛騨川に飲み込まれていった。

 2台のバスには3歳から69歳までの合わせて107名が乗っていたが、転落の最中に窓から投げ出された3名以外は全員死亡(遺体回収できたのは95名で伊勢湾で見つかった遺体もあった)と言う史上最悪の事故となった。


 以上が「山海記」を読んで初めて知った「飛騨川バス転落事故」のあらましである。

 この事故に関しては無理なバス走行が招いた人災であろうが、この数年は豪雨災害が毎年のように起こっており犠牲者の数も決して少なくない。

 「いのちを守る行動を」という言葉もしばしば耳にする。

 「山海記」に書かれている和歌山の十津川あたりをGoogleマップで見るとそこら中に大規模崩落の跡があり、そんな場所をストリートビューで辿ってみると災害が起こるべくして起こったような土地であることがわかる。

 急峻な山に囲まれた谷と、そこにへばりついているような集落と狭い道。

 ひとたび大雨が降ればそれは山肌を駆け下り、そしてしみ込んだ雨水は深層から土をこそげ取り、川をふさいで二次災害を起こす。

 飛騨川のあたりもまさにそんな土地だが、この狭い国ではそんな場所は珍しくない。

 早め早めの対策で自分の身は自分で守るしかない。

 「津波てんでんこ」はいついかなる場合も正しい。

 

 

 

 
 
 

 

 

 

 
 

 

 

 



 

 


# by tinysketch | 2019-06-30 21:31 | Comments(0)
2019年 06月 27日

17年前のトーン。

 録画した「バックドラフト」を観た。

 大好きな映画でもう何回観たか分からないほど。

 以前もここで書いた覚えがあるが、ラストシーンのウィリアム・ボールドウィンを観るだけでも価値があるくらい彼が素晴らしい映画だ。

 この映画のラストは自分が観た映画のベスト3に入るのだが、ラストだけでなくとにかく最初から最後まで丁寧に作られている非常に美しい映画だ。

 彼も最近はとんとご無沙汰なのでまことに残念なのだが・・・

 先日観た「ミッション・インポッシブル・フォールアウト」よりもはるかにドキドキハラハラそして感動もするので、今の洋画、特にサスペンスアクションものは確実につまらなくなっていると実感する。

 そろそろ「温故知新」という言葉がすべての分野で見直されてもいいのではないかとつくづく感じる。
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 天気図を見ると有り得ない位置に梅雨前線が・・・

 東日本の日本海側はすっぽりと雨雲に覆われている。

 熱帯低気圧は台風に変わるんだろうか?

 

 

 
 


# by tinysketch | 2019-06-27 16:12 | Comments(0)